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age [ボクに彼氏が出来るまで](6)
▽前回まで▽
★この更新はボクに彼氏ができるまでを振り返る、自叙伝です。
★書籍化を目指していますが、とくに今まで通り読んでもらえるとうれしいです。
★感想は、気軽にコメント欄にかいてね。
★書籍化目指してます。興味のある出版関係の方、いらっしゃいましたら
─(6)─
「可愛い」「カッコイイ」
今までボクは、上級生からこんな感じで可愛がられ、
猫のように甘えることで自分の居場所をつくってきた。
けれど、ここ(学童保育)では、ボクではなく、
『健』
という2つ年下の男の子が、周りからそんな風に
もてはやされていた。
最初は、「嫉妬」!!
そして、「興味」!?
でしかなかった。
健は、ボクよりも後に学童保育に入ってきた。
ちょうど七夕くらいのときだっただろうか。
小さな顔に、二重の可愛い目、
顔も、ジャニーズ顔負け!ってくらい、突出したオーラを出してた。
けど、本人にそこまで「二枚目」の自覚はなく、
いたっておとなしく、そしてどこか影をもつ。
そこに、ひかれる女子が多いのも、ボクはある意味納得していた。
けども、ボクだって今まで、可愛い!って言われてきたんだ。
負けたくない!
といいつつも、日に日に、健のファンは増えていて、
それは、男子の間にも広がってた。
一番、年長者だったボクに、その土俵に上がることさえ
出来なかった。
仕方なく、「健か?、かっこいいね」って周りの空気に
あわせてなんとなく、自分の居場所を確保した・・・。
“健”のような弟だったら欲しいな。
そんなある土曜日の学童保育。
だれと一緒にお昼を食べるか?のグループ争いが勃発する。
ボクは、面倒をみてた弟分の子と、そしてそれを口実に
その子と同じクラスの健に声をかけたんだ。
「一緒にご飯を食べようよ」
でも、さっと手が伸びてきて、健の手をつかむ。
「俺と食べるんやー!」
1つ年下のちょっと大柄の男子。
強引にひっぱるように健の手をつかんでいた・・・。
すでに競争に、負けていた。
まるで人気ホストのように、いつもだれかに先をとられてしまう。
健は、だれにでも愛想を振りまき、
そして誰にでも好かれるように、努力をしていた。
決して明るい子ではなく、
面白い子でもない。
けど、見た目の良さは、そんなマイナスイメージを
すべて吹き飛ばす力をもってた。
そこに、かつてのボク自身を投影しつつ、
ボクは、どんどん健にひかれていったんだ。
“健”のような弟だったら欲しいな。
そんな願望。まだこのころのボクに、
「健のことが好き」とか、そんなことがあるはずはない。
もしかしたら「弟」という願望で自分の隠れた思いを
ごまかしていたのかもしれない。
そして、夏休みに入る前。
林間合宿の班分けが行われる日を迎えた・・・。
学童保育最大のイベントがこの2泊3日の林間合宿。
場所は、奈良の山だった。
そこで野外炊飯をしたり、
山に登ったり、川で遊んだり、
夜は、班ごとに部屋に分かれて
大人のいない子供だけの部屋で遊べる、
千載一遇のイベントだ。
まだまだ子供っ気の抜けないボクは、お母さんのこと、
お兄ちゃんのことを少しだけ忘れて、このことで頭が
いっぱいになってた。
同じ班ということは、同じ部屋を意味する。
“負けることのできない戦い”が始まったんだ。
「今度こそ・・・健と一緒になるぞ」、と
ボクの学童保育への足取りは、いつもより早かった。
<続く>