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ゆうの一人ラジオ(最終回)
いよいよ、小説が、クライマックスをむかえます。
どんな結末がまっているのか。
そして、長い時間おおくりしてきました、このゆうの一人ラジオも、ついに最後のときがやってきました。
時間がおしに押してしまって、
紹介しきれなかったコメントが非常にたくさんあるので、
来週に、ラジオ記事を一般公開にするときに、
追加で、「特別版」をつくり、そこで紹介したいと思いますので、引き続き、コメント、メールお待ちしてますね。
それでは、時間がないので、小説の最後の展開をどうぞ。
そして、読み終わったとき、あなたの感想をかいてくださいね。
処女作だったんですけど、どうでした?正直、かなりアクシデントもあったりで、
うまくまとまらなかったけど、
リアルタイムに放送中に小説を書くってのも、面白いし、自分の新しい力を発掘できたような気がしてます。
それでは、続きをどうぞ。
カミングアウト 第 7 話
「 カミングアウト 」
先にテントに戻っていた僕。
僕は、もしかしたらばれたかもしれない、と小動物のように丸くなってテントの奥にいた。
テントの入り口がめくられ、顔を出したのは、りゅうだった。
りゅう「体調、大丈夫か?」
心配して、早くもどってきてくれたんだ。やさしいな、りゅうは。
そう思った。
けど、僕の想像通り、この人には、筒抜けだった。
りゅう「なあ、こうすけ。 おれの想像だと思っていたけど、お前、やっぱり・・・
けんいちのことが好きなんだろ?」
僕「え!?・・・」
りゅう「今日1日、お前をみてたらわかるよ。そんなの。」
僕「おい、冗談はよしてよ。男同士だよ」
りゅう「こうすけは・・・男が好きなんだろ?」
僕「なにいってんだよ!」
りゅう「今更、隠したってわかるぜ。この旅行にお前を誘ったのも、俺の考えを試したかったんだ」
僕「・・・」
もう何をいっても無駄だった。こいつには、全部、最初から筒抜けだったのだ・・・。
そう思うと、急に怒りが表に出てきた。
僕「楽しいかよ、そうやって人をからかって」
りゅう「どうしたんだよ」
僕「そうやって、僕をからかって楽しいかって聞いてるんだ!」
りゅう「おれはさ、ただ」
僕「そうだよ・・・僕は、けんいちのことが好きだよ。でも、その気持ちを言えずにずっと我慢してた。
ずっと距離をもっていたんだ。なのに、その距離を壊してまで、面白がって、楽しいか!ってきいてんだよ」
僕は、リュックサックをりゅうに投げつけた。
りゅうは、テントから出ると、この薄いテントごしに、筒抜けの独り言を言った。
りゅう「おまえが苦しそうだったから・・・ちょっとは助けになるかなって、思った。けど、無理だった。ごめん。余計、こうすけを傷つけちゃったな。ごめんな」
僕「・・」
りゅう「でも、このまま気持ちを言わずに終えていいのか?このまま、距離を持ち続けていいのか?それが言いたくてさ。」
僕「・・・」
りゅう「おれは、お前のななめ後ろの席だぜ、お前のけんいちを見る視線に気づかなかったわけがないだろ。でも、あるときから、お前が一切、けんいちを見なくなった。心配したんだ、これでも」
僕「・・・僕・・・、どうしたらいいんだろう」
りゅう「あとは、自分で決めたらいい。おれは、きっかけを作ったにすぎない。これ以上、力になれないかもしれないけど、面白がってはいないし、こうすけを傷つける気なんかなかった」
僕「わかったよ、もう・・・」
僕「でも、僕、やっぱり言えないよ。りゅう」
りゅう「そっか。でもさ、けんいちが言ってたよ。最近、こうすけが自分のことを避けてるみたいだって。おれに相談してきたんだ。中学からの友達なのに、あいつがわからないって」
僕「・・・そうなんだ」
僕は、自然と泣いていた。
りゅう「わかった。お前がそう決めたなら、俺も今まで通り、接するし、このことは、誰にもいわないよ、もちろん」
僕「りゅう・・・ありがと」
そんなやりとりが続いている中、けんいちが戻ってきた。
けんいち「こうすけ、もう大丈夫だって?」
りゅう「ああ、ちょっと露天風呂に期待しすぎて、女もいないのに、鼻血ぶーだってよ」
もう少しましなこといえよ・・・。とおもいつつ、りゅうとけんいちの会話をテントの中で聞きながら、
僕は、涙をふいた。
寝るときは、りゅうが僕のとなりで小さく体を折りたたみ、けんいちは、りゅうの隣で寝転がった。
りゅうのちょっとした気遣いに、また涙が出た。
そんなりゅうを、、、
僕は、一度は、「大けがすればいいのに」なんて思ってしまったなんて、
自分が恥ずかしかったんだ。
こうして、夏のキャンプは、あっという間に過ぎて行った。
僕は、結局気持ちは、言わなかった。
でも、僕は、変わった。変われたんだ。
はじめて自分の気持ちを他人にいったことで、だいぶ、楽になれたし
自分自身に対して納得しながら、けんいちと付き合っていける気がした。
このまま、この関係を壊さずに、ずっと、けんいちと友達でいたい。
そう思い、今までどおり、けんいちと話す僕が教室にいた。
時折、りゅうに相談することもあった。
りゅうは、僕の話を真剣にきいてくれた。
最高の片思いと、最高の友達に恵まれ、あっという間に高校2年が終わった。
りゅう「 クラス、離れちゃうな。 大丈夫か? 」
僕「うん・・・。」
けんいちとは、別々のクラスになってしまったけど、
友達としての交流は、壊れることがないまま、
僕とけんいちの青春時代は、過ぎて行った。
時は、流れた。
1通の封書。
「こうすけへ。 元気にやっているか? 今度、俺、結婚することになった。招待状おくるから絶対にきてくれよ。中学からの友達で招待してるの、こうすけだけなんだからさ」
結婚式への招待状だった。
僕は、それと同時に、キャンプのときの写真をみていた。
あのとき、僕が気持ちを打ち明けていたら、どうなっていたんだろう。
この招待状がここにあることは、なかっただろうな。
僕は、独身だった。
月1くらいの頻度で、けんいちとは、遊んだり、お酒飲んだりの関係が続いていた。
僕にとっては何よりもかけがえのない時間だった。
これからも、そんな風に、けんいちと遊べたらいいなって思っていた。
だけど、僕は、後悔をしていた。
キャンプのときに、気持ちをいっていたら・・・・
結婚式の招待状を手に、何度も思いかえすのは、あのキャンプの光景だった。
僕の気持ちは、すでに固まっていたんだ。このとき。
結婚式当日になった。
りゅうも、きていたけど、あえて話しかけなかった。
披露宴も滞りなく進み、
けんいちのキスを見届けると、僕は、一度、外に出た。
しばらくしてりゅうが出てきた。
りゅう「けんいち、幸せそうだったな」
僕「うん。けんいちのキス、見とれちゃった」
こんな会話できるのも、こいつだけ。
りゅう「あ、 じゃあ、俺いくわ」
りゅうがあわてて戻っていくと、代わるように、けんいちが来た。
けんいち「今日は、きてくれて、ありがと」
僕「うん。いい人、つかまえたね」
けんいち「そうか? 」
僕「ねえ、けんいち、話があるんだ」
けんいち「話?なんだよ、あらたまって」
僕は、いまこそ、キャンプのとき、言えなかったあの気持ちを言おうと思っていた。
このままじゃ、僕は、先にすすめない。
これをいうことでけんいちとの関係は崩れるかもしれないけど、
それでも今こそ、僕の人生の中で一番、勇気を出すとき・・・。
そう思った。
僕「キャンプ、覚えてる?」
けんいち「ああ、高2のときの」
僕「あのときさ、僕、お風呂でのぼせてさ」
けんいち「覚えてるよ、混浴でもないのにな」
僕「・・・いちがいたから」
けんいち「え?」
僕「けんいちがいたから・・・」
けんいち「おれ?」
僕「お風呂で緊張しちゃって・・・・」
けんいち「なんで?」
不思議そうなけんいちに僕は、続けた。
僕「聞いてすぐ忘れてね。僕、けんいちが、好きです!!」
時計が止まった。
すべての風、空気、音、生き物、吐息、呼吸、すべてが止まったように、
静かになった。
けんいち「・・・そう・・・・・・・・・だったんだ」
僕「ごめんね。今更こんなこといっても迷惑なのわかってる。でもどうしても僕も先に進みたくて、ごめんね」
けんいち「謝るなよ。こうすけの気持ちに気づかず、俺、おれ・・・ おれのほうこそ、ごめんな」
僕「ううん、もういいの」
けんいち「結婚式で、花嫁を奪われるのは、きいたことあるけど、まさかおれとはな」
けんいちは、そういうと笑った。
僕「もう・・・・・・・・。会わないから。」
僕は、逃げるように、小走りに立ちあがって歩くと、
けんいち「まてよ!!!」
手をひっぱられた。
けんいち「ひとりだけ言いたいこといって逃げるのかよ」
僕「だって・・・」
けんいち「ありがとな。気持ちには、答えられないけど、俺、こうすけのこと、一生の友達とおもってる。だからさ、」
けんいちが泣いていた。
けんいち「会わないなんていうなよ」
体がひっぱられた。
そのまま、唇に、なにか熱いものを感じた。
けんいちの結婚式で・・・
この聖なる鐘のあるテラスで・・・
はじめて、僕は、けんいちとキスをした・・・・。
僕「ありがと、けんいち・・・」
けんいち「次は、こうすけの結婚式によんでくれよな」
僕「・・・・」
けんいち「いいんだって。こんな式典より大事なのは、気持ちだろ?相手が男でも、こうすけがこの男って決めたとき、祝いに、まっさきにかけつけるぜ」
けんいちの無邪気なまでの素振りは、あのときと、全然、かわっていなかった。
僕の恋は、このキスとともに・・・
幕を閉じた。
僕らの関係は、続いている・・・。
ありがとうございました。
感想、お待ちしてます
もう、墓参りにいくので、このへんで、失礼します。
ラジオ、最後まできいてくれてありがとうございました!!!