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プロバイダーの賠償責任を否定 最高裁が初判断
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100413-00000578-san-soci
SNSやレンタルサーバーを運営・管理しているボクの仕事上、人ごとじゃない問題が、
「プロバイダーの責任」
なんです。
とくにレンタルサーバーは、お客さんにホームページを作るスペースを提供するサービスだけに、
トラブルは多いんですよ。
たとえば、問題がおきたときに、そのお客さんを通り越して、
サーバーを管理しているうちの会社に責任追及してくる人も多いです。
その場合、どこまでプロバイダの責任を認めるのか?
これは、非常に重大な問題なんですよね。
これが、まかり通ってしまうと、日本でプロバイダなんて業種は、無くなっちゃうとおもうんです。
今回、訴えられたのは、プロバイダ大手のKDDI !
訴えたのは、2チャンネルに名誉を傷つけられる発言を書きこまれた、と主張する被害者。
KDDIに、発信者情報の開示を求めたが、KDDIは、それを拒否したと。
被害者は、その対応を不服として、KDDIに対し、賠償責任を求める訴えを起こした。
1審東京地裁は請求を棄却。
2審東京高裁は逆転し、名誉感情が侵害されたと認め、情報開示と賠償を命じた!
これにKDDIは、控訴し、
最終的な判断が最高裁まで、持ち込まれた。
業界中が注目する中、出された判決は・・・
賠償責任を否定!
裁判長は
「プロバイダーが賠償責任を負うのは、書き込みによって権利が侵害されたことと情報を開示する必要性が明らかな場合に限る」
という初めての判断を下しました。
これが正しいとボクは、思うし、
この判決が、今後、「判例」として法律の隙間を埋める資料になる。
ボクも辛い思いをたびたびする。
ボクの会社には、1000社を超える会社が契約し、サーバーを預かってる。
そのだれがどんなホームページを作っているか?など、すべてを把握するのは困難で、
どこでどんなトラブルが起きているのか、分からない。
そんな中で、いきなり、「おたくの責任だ!賠償しろ!」 なんていわれたら、商売なんてできない。
もちろん、「プロバイダ法」 や 「個人情報保護法」などにより、
申告者が求める場合には、情報開示をしないといけない義務があるが、
それは、あくまで本人の情報。
たとえば、●●というサイトに登録した覚えが無いのに、メールが来る!登録経緯や登録した時間、IPアドレスなどを教えてほしい!
という要求がきた場合、開示する責任がある。
だけど、これが、
●●というサイトの運営者の住所や電話番号を開示しろ!
という要求には、応じられない。
個人情報保護法は、あくまで「個人」(本人)の情報を守るという観点。
プロバイダ法は、警察などから要求があった場合にデータの提出が求められるという観点。
個人がうちの契約者の個人情報開示を求めても応じる姿勢は、ない。
けど、その姿勢をつらぬいた、KDDIが訴えられたのだから、
判決次第では、うちの対応ばかりか、すべてのレンタルサーバー会社などは、
ひやひやしながら今日の判決を聞いたはず。
場合によっては、賠償金まで請求される、なんてことになれば、
プロバイダは、運営リスクが高すぎるから撤退する会社が多くでてくるし、
携帯電話会社は、掲示板への書き込みを規制するだろうし、
個人が賠償請求をできる、という監視の目が
表現の自由を奪い、
掲示板そのものが無くなる。
中国みたいな体制にしていいの?とボクは、思う。
だから今日の判決には、まだ安堵してる。
ただ・・・今回の判決では、
発信者情報の開示をKDDIに求めた。
もちろん、KDDIは、応えざるを得ないはず。
発信者の名前や電話番号などの情報を、開示・・・。
これも脅威だ・・・。
多くの場合、契約者との間には、「秘密保持」の契約があり、
警察からの指示による場合に限り情報の開示を行うことを明示してる。
個人からの請求で情報を開示する、となれば、
契約違反・・・。
KDDIは、どうするんでしょうか。