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[ボクに彼氏が出来るまで](9)
▽前回まで▽
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★この更新はボクに彼氏ができるまでを振り返る、自叙伝です。
★書籍化を目指していますが、とくに今まで通り読んでもらえるとうれしいです。
★感想は、気軽にコメント欄にかいてね。
★書籍化目指してます。興味のある出版関係の方、いらっしゃいましたら
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―(9)―
2学期の終業式も終わり、今日から夏休み。
ボクは怒られるかもしれない、と思いつつ通知表をもったまま車を降りた。
いつみても大きな大学病院・・・。
もうお母さんが入院して半年以上・・・。
それまでに手術を2回、そのたびに「ゆう、手術、成功したって」と聞かされた。
ボクは、「じゃあ、もうすぐ退院だね♪」と、期待に胸を膨らませて
カレンダーを眺めては、
「明日かな?」
「明後日かな?」
と普通ならすぐ飽きるカレンダーを1日中みてても飽きないほどだった。
病室は、個室。
ドアを開けると、笑顔のお母さんがボクらを迎えてくれた。親戚のおばさんがお花の水を替えに部屋を出ると、ボクは、泣きながらお母さんの近くにすりよった。
お母さん「ゆう、元気そうね」
ボク「お母さんも♪」
今日で学校が終わり、夏休みに入ったこと、
来週に控える、学童保育の林間合宿について報告した。
ボク「お母さんも来れる?」
お母さん「ううん、お母さんはもう少しここで休んでるから、ゆう、楽しんでおいで。」
お兄ちゃん「そうやで、今、無理するとまた悪くなったらゆうも困るやろ?」
ボク「わかった・・・。我慢する・・・」
涙を手でぬぐい、無理やり作ったような笑顔で答えた。
お母さん「少し、お兄ちゃんになったのかな?」
そういうとお母さんは、くすっと笑い、
お母さん「ゆう、おいで」
そういうと、お母さんは服をまくりあげ、、、
ボクは、ショックを覚えた。
あれだけ綺麗だったお母さんの胸からお腹にかけて、
大きな傷跡が出来ていたんだ。
ムカデが這っているような、無数の足がある傷跡。
ボクは急に不安になった。周りはボクに「大した病気じゃない」と、言ってきた。
だけど、この傷跡が大した病気じゃない?とは思えない。
ボクは、震える唇をかみしめて、
ボク「ねえ、お母さん、なんの病気なの?」
と聞いた。
でも、お兄ちゃんが遮り、
お兄ちゃん「ゆう、お母さんに見せるもんがあるんちゃうんか?」
ボク「・・・・。」
お母さん「な?に?」
ボクは、回答が気になりつつも、もっていた通知表をお母さんに見せた。
通知表をみたお母さんは、お兄ちゃんに聞いた。
「最近、家に何時頃帰ってるの?」
お兄ちゃんは、夜遅くなることが多いって答えると、
「じゃあ、そのあいだ、ゆうは一人?」
ボクは、
「学童保育が18時ごろに終わってそこからは・・・」
お兄ちゃん「しゃあない、仕事も学校もあるし」
親戚のおばちゃんが花の水を替えて戻ってきた時、病室内は、
お兄ちゃんとお母さんの口論に発展してた。
お母さん「ゆうは、寂しがり屋なの、甘えん坊なの。もっと一緒にいてあげてよ」
お兄ちゃん「お母さんが甘やかすから通知表にこんなこと書かれてるんやで」
お母さん「でも心配じゃないの?こんな小さな子が夜間1人だけって」
それらを傍観してた親戚も、、、
「この元気さなら今日、すぐにでも退院できるんちゃう?」
と笑った。
帰りの車の中で、
ボク「一緒にいてほしいけど、お兄ちゃんは、仕事とか夜間学校にも行ってるんだし、心配しなくてもいいよ」
本心じゃなかったけど、
お兄ちゃんの事情もボクのどこかでは、仕方がないことと納得していた。
ただ、
ただ、
ボクのことでお母さんに心配をかけたくなかった。お母さんが心配するなら、
お兄ちゃんには、ずっと傍にいてほしい、
でも、そんなこと、言えなかった。
「今日、お母さん元気そうだったね。」
お兄ちゃんも微笑みながら、
「きっと、ゆうに久しぶりに会えたからやろ。お母さん、ほんまにゆうには、甘いわ」
ボクも
お母さん、大好き。
「夜9時をまわりました、ニュースをお伝えします」
ラジオから伝わる時間を聞きながら、もうお母さん、寝たかな?とか思いながら
僕もいつのまにか車の中で眠っていた。
<次は、いよいよ合宿編でーす>