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[ボクに彼氏が出来るまで](5)
▽前回まで▽
★この更新はボクに彼氏ができるまでを振り返る、自叙伝です。
★書籍化を目指していますが、とくに今まで通り読んでもらえるとうれしいです。
★感想は、気軽にコメント欄にかいてね。
★書籍化目指してます。興味のある出版関係の方、いらっしゃいましたら
★このテーマの表紙が出来ました。
応援、宜しくお願いします。
(5)─────────
学童保育に行くようになって、大きく変わったことがあった。
それは、周りが低学年ばかりということ。
いつまでもボクは甘えん坊で
小学5年になってもそれは変わることなく、
むしろ、よりひどくなっていくばかり。
上級生のクラスでボクを見かけることがあっても
下級生のクラスでボクを見かけることなんて
絶対にない。
でも、気づくと・・・
ボクが上級生になっていたんだな・・・って
思えた。
それまでボクは、小学5年という「時の経過」を
まったく意識することなく、むしろそれに背をむけてた。
それは、今もそんなに変わらない。
周りが
「若く見える?!」
「うそー、10代だとマジ思ったんだけど」
というたび、
嫌気がさす一方で、むしろ時の経過を
止めているような気になって喜んでいた一面もあった。
だけどボク一人が時の流れを無視していても
周りは確実に年をとっていく。
まるで浦島太郎状態のまま、
この弟、妹たちばかりが住む島に
取り残されたような気持ち。
そう思ったら、なんだか余計、
このとき寂しくなったんだよね。
もう甘えることが出来ないのかなって。
ボクともう一人、あの意地悪した同級生が、最高学年で
あとは、みんな年下ばかりだった。
弟、妹のように、あどけない男女がそこにいて
ボクに甘えてくる。
ボクは、その子たちに甘えることは出来ないから
先生のほうにいく。
先生を独り占めする、小さな男の子に嫉妬したり
ゲームの取り合いになって、
ボクだけが怒られることなんて、しばしばあった。
「なんでボクだけ怒られるの!!!」
っていうと、先生は、
「お兄ちゃんは、我慢しないといけないの」
と、しれっとした顔でいう。
ボクは、末っ子。お兄ちゃんは、居ても弟はいない。
知らない人からみれば、
“家族みたいでいいね。”っていうかもしれないけど、
ボクは、とにかく、鬱陶しい!と最初、思ってた。
弟をもつってこういうことなんだな・・・と思った。
そう考えると、本当にボクのお兄ちゃんは、
えらいな?と思った。
「ねえねえ、なんでボクには弟がいないの?」
お母さんは、言ったね。
「弟が出来てもユウはお兄ちゃんになれるかな?」
なんで、“こいつらの面倒をボクが見ないといけない”のか、
じゃあ、“ボクの面倒は、だれが見てくれるの!?”
だね。ボクには、弟は、無理かもしれないな、と
ふっと吹いた。
そんな子供じみた苛立ちをかかえながら、
この学童保育での生活は、続いていく。
学校が終わると、
そこからまっすぐ歩くこと10分程度で、
学童保育につく。
今は、どうなっているか知らないけど、
学童保育を中心にして
とにかく、公園が多い場所だった。
今日は、何公園に行くの?って感じで
すぐ遊びの話になる。
公園で遊んでいるうちに、すぐ暗くなってきて、
夜6時頃に、先生から飴ちゃんをもらって解散。
今のように集団下校のようなものはなくて、
バラバラに暗くなった道を帰る。
家に帰りつくころには、その飴ちゃんも
口の中で溶けて無くなってた。
家に帰っても部屋は、真っ暗。
ボクは、ビデオの再生ボタンを押して、
ドラえもんの映画を見ながら、
お兄ちゃんの帰りを待つんだ。
「ドラえもん のび太と○○」
こんなタイトルの映画を何度も何度も
毎日、毎日、見てた気がする。
その学童保育に、とっても気になる男の子がいる。
小学3年。2つ年下の男の子。
ボクの学童保育での楽しみは、いつのまにか
その子に移っていたのかもしれない。
その子の名前は、「健」。
─続く─